女性に対する家庭内暴力についての中日比較研究文献综述

 2022-09-09 03:09

中日における女性に対する家庭内暴力の比較研究

家庭内暴力は、1970年代に欧米で社会問題として議論されるようになり、その法的・社会的対処が検討され施行されるようになってきた。日本で90年代、家庭内暴力は社会問題であるという認識が高まり、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」が成立した。中国では、「家庭内暴力」に関しては「中華人民共和国婦女権益保障法」と「婚姻法」が規定されていたが、法律面における家庭内暴力の処罰がまだ不完全だと思われる。さらに、日本に比較してみれば、精神の分野における家庭内暴力被害者への適切な支援は、少数の被害者にしか行われていない。

まず、「家庭内暴力」の範囲を明らかにしよう。日本では、法律上における具体的な暴力の定義として、DV防止法第1条では、「この法律において『配偶者からの暴力』とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす」と総称すると明記されている。また、広義でとらえて見れば、よく言う「ドメスティック・バイオレンス」(Domestic Violence)という言葉のDomesticは「家庭の」という意味をもっており、直訳すると「家庭内暴力」となる。しかし、日本でいう「家庭内暴力」は子どもから親への暴力、親から子どもへの暴力、老親への暴力等を指しているとされる。中国は多民族国家であり、さらに同民族であっても結婚や家族の定義にも地域差があるが、「家族」や「家庭構成員」の明確な定義は、保障法・婚姻法のどちらの法文中にも見られない。鄭澤善(2007)が指摘したように、「家庭内暴力」の明確な定義も法文中には見られないが、2001年12月24日から実施された最高人民法院の婚姻法の適用に関する法的解釈では、家庭内暴力を「行為者による殴打、縛り、傷つけ、自由の制限およびその他の手段で家族に肉体的、精神的傷害の結果をもたらす行為で、持続的、経常的な家庭内暴力は虐待の構成要件に該当する」とされている。

また、日本における家庭内暴力の実態について、内閣府男女共同参画局が2002年度と2005年度に「配偶者等からの暴力に関する調査」を実施し、家庭内暴力の実態を明らかにした。日本内閣府男女共同参画局は母集団全国20歳以上の男女という標本数5000人を抽出法層化二段無作為抽出法で選出し、男女間を取り巻く環境の変化に応じた被害傾向の変化などアンケート調査した結果、配偶者(婚姻届を出していない事実婚や別居中の夫婦、元配偶者も含む)から身体的な暴力を受けたことのある人の割合は、各々女性26.7%、24.9%、男性13.8%、13.6%、精神的な嫌がらせ、脅迫があったという人が、女性16.1%、16.6%、男性8.1%、8.8%、性的な行為の強要があったという人が女性15.2%、15.8%、男性3.4%、4.3%となっており、女性の割合は男性よりはるかに多いことが分かる。

小西聖子(2008)は内閣府の男女間の暴力に関する調査および厚生労働省の調査などを中心に被害の実態を分析し、精神健康の分野におけるDV被害者への適切な支援が重要だと考え、DV被害の実態と実証研究を行った。小西によると、日本における精神健康分野における家庭内暴力研究は着実に進展しているが、DVに限らず女性に対する暴力の臨床を専門とする臨床家も相対的に少なく、研究者も少なく、論文もさらに少ないのが現状であり、今後DVによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)への認知行動療法が期待されると述べた。

蓮井江利香 (2011)は、配偶者間のDVにおける「別れにくさ」の主な理由が、女性は経済的事情や子どもの養育といった生活上の問題という経済的な不安を抱えることもあり、恋愛感情を理由に束縛や行動の制限や強制などが正当化されたり、親密な関係であるがゆえに暴力が許容されるべきだと合理化されたり、加害側と被害側の双方に認知のゆがみが生じやすいという特徴があると述べている。

中国における家庭内暴力に関する研究はまったく違った段階を経ていた。劉栄、田中豊治(2009)は中国における家庭内暴力について、新中国が成立して以来から80年代まで、女性は男性と平等になれないため、生まれた時から自分のあらゆる権利を主張できなくなっていると述べた。その上、男性の都合で暴力を振るわれ、ドメスティック・バイオレンスが社会問題になっている。一般家庭では、夫婦共働きで家計を維持し、それぞれが収入を有し、家庭の経済面において女性も自主権を持つようになってきた。さらに、80年代に入り、市場経済が導入され、女性の自我意識が強くなり、自我に基づいた生き方をする自主権が保障され、さらに寛容になった社会で発展のチャンスを得て、自尊・自愛・自立・自強という主体性が強調され、自由に職業を選べるようになった。上海社会科学院社会学研究所が実施した「中国婚姻質調査」では、夫の収入が家庭収入の7割以上を占める家庭が24.5%、6割以上が19.2%、5割以上は27.2%で、合計70.9%の家庭において、夫の収入が妻より高く、夫が家庭収入の主要分担者であることが示されている。農村部でも同様で、「男工女耕」現象が一般的で、夫が収入の高い仕事を得るために出稼ぎをし、妻が収入の低い農業労働や、育児、老人介護など無収入の家事労働を任せられている。何燕侠、南方暁(2004)は社会的・文化的に構築された男性優位の性別秩序が、中国社会および法律の中に埋め込まれていること、村・家族・親が暴力を振るう加害者の庇護者となるという家父長制的要素が中国農村社会に根強く存在していると指摘し、現代の中国社会との関係を念頭におきながら、ジェンダーの視点から、女件の人身売買、強制売春、家庭内暴力など女性に対する暴力の現状、および法的対応とその問題点を研究した。

中日における家庭内暴力が起こる社会的・文化的背景はそれぞれ相違点があり、法的と制度的整備を検討する課題が多い。また女性に対する家庭内暴力に関する研究はいろいろ行われてきたが、中日を対象とした比較研究は少ないようである。本論文は、比較研究の視点から中日女性を対象とした家庭内暴力について論述し、分析するものである。主に中日女性に置かれた家庭内暴力の現状を把握し、暴力が発生する原因について考察し、両国が家庭内暴力に対する法律的保護と障害後の介護の相違、被害者への支援を論じる。

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