『千と千尋の神隠し』のテーマについてーー環境保護を中心に文献综述

 2022-07-29 11:07

「千と千尋の神隠し」のテーマについて

―環境保護を中心に

要旨：宮崎駿は日本だけでなく、世界にも名高い映画監督である。彼のアニメーションにはいつも環境保護意識を持っている。「千と千尋の神隠し」は少女の成長というテーマについての研究が多いが、環境保護に関する研究は十分に行われるとは言えない。そして、環境問題はますます深刻になっている今、環境保護が文学と映画の主題になっているようである。そのゆえ、本論では「千と千尋の神隠し」における宮崎駿の自然観を分析し、その中に伝えている環境保護意識を探究してみたい。

キーワード：宮崎駿；自然観；千と千尋の神隠し；環境保護

一、文献综述

　最近、世界中の環境問題はますます深刻になっている。現代社会は「地球温暖化」とか、森の破壊とか、生物多様性の減少とか、水の汚染など数え切れないほどの環境問題に困っている。このような環境問題は人間の生活まで影響をもたらしている。そのため、世界中の人々は環境問題に関心を持たなければならない。人々は環境問題の解決策を求めている。環境保護も文学と映画の主題になっているようである。

日本で「環境保護の教主」と称されている映画監督宮崎駿は、環境保護意識に基づいて多くの優秀な作品を作り出した。例えば、「風の谷のナウシカ」、「もののけ姫」、「となりのトトロ」、「千と千尋の神隠し」、「崖の上のポ二ョ」などの作品である。彼のアニメーションは日本だけでなく、世界にも人気があり、高い評価を受けている。この間、宮崎駿はハリウッドでアカデミー賞名誉賞を受賞した。日本人の同賞受賞者は、1990年に贈られた黒沢明以来の２人目となる。彼の作品はよく人間と自然の関係性や人間の生存、人間の夢などのテーマが選ばれ、一流のエンタテインメント作品であると同時に、社会の様々な問題を指摘し、人々を深く考えさせることを伝えている。

　「千と千尋の神隠し」は興行収入300億円を超えた日本歴代興行収入第1位の大ヒット作品であり、第75回アカデミー長編アニメ賞や第52回ベルリン国際映画祭金熊賞などを受賞し、宮崎駿の代表的な作品と言っても過言ではない。したがって、これまで国内と日本では「千と千尋の神隠し」についての研究も多い。これらの先行研究を調べてみたら、少女の成長や日本の伝統文化、画面と音楽の分析などについての研究が多いが、環境保護に関する先行研究はほとんどないことが分かった。これはまた研究に値するテーマではないかと筆者は考えている。そして、筆者はいろいろな資料を調べた。

　日本では、青井汎の『宮崎アニメの暗号』や叶精二の『宮崎駿全書』や宮崎駿の『折り返し点1997-2008』など宮崎駿の作品についての研究単行本が多くある。例えば、青井汎は『宮崎アニメの暗号』の中に、「千と千尋の神隠し」の創作のインスピレーションと水の意味を分析した。彼はピーター・ウィアーの『ピクニックatハンギング・ロック』とアンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』が宮崎駿の創作のインスピレーションであると指摘した。しかし、環境保護に関する分析はほどんとない。水の意味も環境汚染への批判ではない。叶精二の『宮崎駿全書』や宮崎駿自身の『折り返し点1997-2008』などもあまり触れていないようである。

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